2004年 12月 01日
私は床に散らばった サクラエビ君達を 箒と塵取で すくい取り 葬儀場に送り出すために アーメンとつぶやいていた。 ごめんね、食べてあげられなくて。 私だって海に生まれていれば ここで塵取の中に床の埃やなんかと一緒くたにされて 詰め込まれていたかもしれないのだから。。。 所詮私なんて特技が、見てみぬ振りなだけのだめ人間なのだ。 何しろサクラエビ君たちはこの床の上に 1週間ほどいらっしゃった。 サクラエビ君たちが宙を舞ったあの日、 床は少し湿り気を帯びており、 着地したその瞬間から彼らはいきなり成長を始めたのだった。 彼らの干からびた体から湯気が立ち上り 曲がった尻尾がカーブを描き、 みるみるうちに次々と床を跳ね回り始めたのだ。 私は 「しめた!シーフードカレーにしちまおう。」 と早速ドジョウすくいのごとくざるを構えたのだが、 いかんせん歌が思い出せない。。。 こういうときに限って何の関係もない歌ばかり頭を掠めるものだ。 今トレンディに私の頭をめぐっている歌は 何故か 飲ませて~ください~もう~少し~ なのだ。 いやーん、どっかいってくれー。 そんなこんなしているうちに床のエビたちの動きは 急速に鈍くなっていっていた。 ぴょんぴょん が ぺこんぺこん になり ぺちんぺちん になり ウッチウッチ になり そして彼らは動かなくなってしまった。。。 私は半分追悼の意味を込めて そして半分隠す目的で 急いで床に新聞紙を敷き詰めた。 そして今1週間が過ぎようとし、ようやく私は彼らの死を認めることが出来たのだった。
by orphee--room
| 2004-12-01 02:50
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